らじうむの月

生んでみせる

冬の朝覚書


冬の朝が好き。


「冬の朝が好き」という感覚をわたしはどこで学んでどこで真似していつからわたしのものだと思いこんでるかなんてもうわからないからいい、オリジナルの好きなんてどこにもない、どこにもないけど確かに愛おしいものだからいい。自分の感情を慈しむこと、誰でもない人の感情も同じように慈しむことができるということも、わたしはどこからか教えてもらって、真似をして、いつのまにかわたしの感情だと思っているけど、それは多分素敵なことだからそれでいいよね。


冬の朝が好き、

冷たくて尖っていてどこまでも透き通っているような匂い。寒くて嫌になっちゃうけど、それでも朝はいい、朝の匂いだけいつまでも閉じ込めて炬燵でぬくぬくと味わいたいくらい好き。冬の朝はわたしの好きな詩人のみる世界に一番近いと思う、その詩人を通した世界は冷たくて尖っていて純粋で、金属の強度と美しさと鋭さで満ちている。


冬の朝が好き。